4パーミル・イニシアチブとは
世界の土壌表層の炭素量を年間4パーミル増加させることができれば、人間の経済活動などによって増加する大気
中の二酸化炭素を実質ゼロにすることができるという考え方で、農業分野から脱炭素社会の実現を目指す取り組みです。
たとみ農園ではこれに同調し、以下のように取り組んでいます。
※「 パーミル(‰)」とは「パーセント(%)」の10分の1の単位で、4パーミルは1000分の4、パーセント(%)では0.4%に相当します。
■中干し期間の延長
たとみ農園では、「中干しの延長」を行っております。
人間活動によって発生する温室効果ガスの70%以上が二酸化炭素ですが、約14%はメタンです。そしてメタンのうちの約1割が水田から発生しているそうです。
メタンは酸素の少ない条件で作られるので、土壌に酸素を供給すると発生を抑えられ、効果的な方法が「水管理」で、その中の1つに中干しの延長があります。
中干しをすることによって、水稲の生育を調整し、根を健全に保つ効果があります。そうすると、土壌表面がひび割れるほどに乾燥し、空気が行き渡ります。
この中干しにより、土壌は酸素が豊富にある状態になり、メタン生成菌の活動は抑えられることになるそうです。
中干しの期間を地域慣行より1週間程度延長することで、水田からのメタン排出量を平均30%削減できるそうです。
※中干しとは一時的に水田から水を抜くことで、水稲の有効分げつ期から幼穂形成期に行われることです。
■稲藁すきこみ
たとみ農園では、稲刈り後に出る稲藁を燃やす「野焼」を行なわず、「すきこみ(※)」を行う事で、さらに二酸化炭素排出の抑制につなげるため取り組んでいます。
※農業におけるすき込みとは? 「すき込み」とは、牧草や稲わらを農地に敷き、反転耕を行うことです。 耕作器具のプラウ等を用いて土壌を一定の深さで反転し、牧草等が含まれる上層土壌を土中に埋め込んで腐敗させ、肥料や堆肥、緑肥などを加えながら耕すことです。
■耕作放棄地解消
当初は二酸化炭素削減のために農産物の残さを再生紙に活用できないか?という考えから始まった農業活動。
その取り組みの中で、農業就労者の高齢化により廃業してしまう農家の増加や、それに伴い拡大の一途をたどる耕作放棄地の増加など、様々な農業の実態を目の当たりにして、「なんとか地域の景観を守りたい」その一念で、われわれにできることを取り組んでいこうというと法人化を決定し、農業に本格参入しました。
紆余曲折を経て、本格的に耕作放棄地を利用したお米の生産に乗り出し、今や作付け面積は約70反(7ha)を超える規模になります。今後も耕作放棄地を利用しながら皆様に「美味しい」といっていただけるようなお米作りを頑張っていきます。